虫の音楽家/クマとアメリカインディアンの暮らし

小泉八雲ラフカディオ・ハーン)の3冊の小説から編集したという短編集。
タイトルどおりの虫の話だけでなく、霜が作り出す自然の造形美を讃えた「霜の幻想」、人生のはかなさを一滴の露に例えた「露のひとしずく」など、
アミニズム的で仏教的な、とても小泉八雲らしいチョイスになってました。
特に「夢を食うもの」という話で、久々に貘(ばく)という動物の存在を思い出したのが嬉しかった。
しかし、なんなんでしょう貘って。。考えれば考える程、ハマる。






クマとアメリカ・インディアンの暮らし

クマとアメリカ・インディアンの暮らし

 第1章 クマは毛皮をまとった人間である
 第2章 人はクマのように死にクマのように再生する
 第3章 クマ狩りと狩りの儀礼
 第4章 クマの毛皮、肉、骨、爪、歯
 第5章 クマとシャーマン
 第6章 <クマ医者>の治療効果
 第7章 守護霊とシャーマニズム
 第8章 クマと民話
 第9章 <ベアーダンス>
第10章 クマと<世界更新の儀礼>
第11章 世界の神話に登場するクマ
第12章 夢や幻想とクマ


インディアン達の中でクマは、“半分人間”であり、尊ぶべき存在であると考えられている。
この本では、クマという一つの“スピリット”を取り上げ、その存在を通じてインディアン達の生活を描いているのですが、
彼らの中においては、クマだけでなく、全ての動物、植物、空や大地や風等々全ての中にスピリットが存在する訳で、
クマだけでもこんなに様々な生き様を見せてくれるんだから、キツネやリスなどの動物や、植物、微生物、風なんかになったら
どんな世界が広がってるんだろう、、と手塚治虫仏陀」の中で仏陀が輪廻の中で様々な物にメタモルフォーゼして行った様に、
無限に優しくなれた一冊でした。