一枚のフライヤーから

兄を経由して手元に届いたCD−Rの中に、
”True People's Celeblation”のフライヤーが入っているのを見つけた。
しかもイベントは今日と明日。
僕がどれほどこのイベントに行きたいか知ってるくせに、
神様はとても残酷なイタズラをする。


去年辺りにこのイベントで見たMM&Wのライブは壮絶だった。
行ったことも無い郊外の小さな遊園地の一角に作られたステージ、
陽も落ちかけ、空の赤がゆっくりと別の色に移り変わる頃、
彼らは時を見計らっていたかの様にステージに現れ、
僕らを彼らの世界へと一気に引きずり込んだ。
彼らは音という振動に命を吹き込み、
オーディエンスの歓喜と驚嘆と悲鳴と感動は、
その振動とシンクロして一つの大きな意識の固まりとなった。
言葉はその価値を失い、時が時として存在出来ない次元で、
五感の全てがその固まりと共にあった。
月明かりに照らされた真っ暗なその固まりの中で僕は、
夢中で踊り出す身体を抑えながら、
”この時間の全てを自分の記憶に留めていたい!”と心から思った。


人それぞれ好きな物は異なるだろうけど、
自分が好きな物をとことんまで味わっている時ほど幸せな時は無い。
特に僕はこのイベントの空気が好きだった。
海外でいろんなイベントを見て来たけど、
なんとなく、あの空気は日本で無くては味わえない感じがする。
あー今年の彼らはどんなライブをやるんだろう。