ブチマケる


連日に渡る中東関連のニュースで、CNNもBBCも手一杯だ。


中東だけで無く、世界に衝撃を与えた、アラファト元議長の死去。
”独立国家建設”という70年代初頭から始まった彼の野望。武力という強烈な意思表示は、諸国に脅威を与え、国際舞台での発言権を与え、その民に”自治区”という領土までをも与えるに至った。ノーベル平和賞までをも得た中東のカリスマは、その意志を継ぐ”ハマス”という武装組織を残し、この世を去った。PLOにはもはやハマスを抑え込む力は無い。チャーンス!と涎を垂らして飛びつく米が、欧州と連携して”今こそ中東和平”の大風呂敷を広げ、パレスチナを潰しにかかるビジョンが目に浮かぶ。


そして米英軍のファルージャ進行。数千のゲリラに、その数倍の数の、最新兵器で武装した兵士達が血眼になって殺戮を繰り返す姿が、生々しいVTRでほぼ毎日放送されるのを見る。これは『プライベートライアン』でも『ブラックホークダウン』でも無い、同じ時間軸の中で起きている人間の愚行そのものだ。


なにがテロ掃討だ。なにが”中東和平”だ。勝てば官軍か!?という話で、先のビジョンが全く見えてこないまま、米英のテロ撲滅活動は続き、それに反比例してイラク国民の反米英感情は募る一方だ。
そんな中、日本政府は12月、再びイラク自衛隊を派遣することになると思う。”援助だ”なんて口で言ったって、もう限界がある。オランダ軍が撤退を決めた今、間違いなく自衛隊は戦火に巻き込まれるだろう。
その時、日本の最高責任者は何と言うのだろうか。
『だってNO!って言えないんだもん』、とか開き直っちゃうのだろうか・・・。