白い光

１年近く前にヒューストンでホームステイをしていた家の一人息子が
スキー事故で亡くなった、という知らせを受けた。

『elephant』の主人公にそっくりな、高校一年生のアメリカ人。
日本の過激な映画が大好きで、『バトルロワイヤル』が彼のお気に入り。
『リング』の英語版コミックを大興奮で読み聞かせてくれたり、
グロい写真の載ってるサイトや、おバカなフラッシュアニメのサイトを
『Yoji, this is the best in the world!!』と説明付きで紹介してくれたり、
チアリーディング部に所属していて、ピザハットの踊るＣＭを見ると
テンションが上がってきて家の中で一人で踊り狂ったり、
家では８割方チャットとネットサーフィンしかしてないクセに、
教会で同級生の女の子に会うと見違える様に饒舌になったり・・・

彼は、僕の理解を超えた、アメリカの新人類だった。
彼といつか再び会って、彼がどんな大人になったのかを見るのが
僕のこの先の小さな楽しみの一つだった。
雪の降る朝。
僕にとっての”未来”という小さな光が、一つ消えた。