嗚呼レアル・マドリーよ!

afropsychic2005-02-19

現地の知り合いと合流し、レアル・マドリーvsビルバオ戦を見に、サンチャゴ・ベルナベウへ。
この日のレアルは、水曜に控えたチャンピオンズリーグでのユベントス戦を控え、『戦力温存の為、フルメンバーでの出場は無い』と言われていた。現在6連勝中、1位のバルセロナまであと一歩、という最高に上がり調子のスター軍団であった。


ベッカムが右下から左上へのロングボールでレアルをコントロールする。しかし新規加入のFWオーウェンとの息が合わないばかりか、いつも左から上がってくるロベルト・カルロスはカード累積の為姿が見えず、中央で支配するジダンもベンチ。フィーゴやソラリが左右からドリブルで切り崩すも、応援が少なくチャンスとは程遠かった。
なんとも不甲斐ない攻撃陣とは対照的に、大活躍だったのがデンマーク代表のボランチグラベセン。カウンターで仕掛けてくる攻撃の目をほとんど潰していたのは、16番のスキンヘッド野郎だった。


選手交代も無いまま後半へ突入。13分、10番フランシスコ・ジェステを中心としたビルバオに、とうとう先取点を奪われてしまう。そのほぼ同時刻、スタジアムのスクリーンには、1位のバルセロナマヨルカから勝利を決定づける2点目のゴールを決めたという速報が流れた。レアルのベンチだけでなく、サポーターを含めスタジアム全体に漂う動揺。そして、ピッチ脇でジダン・ラウル・ロナウドがアップを始めた。
後半20分、オーウェンフィーゴらに替わって、温存していた脅威の軍団がピッチへ登場。直後から爆発的な攻撃を見せ始めた。特に圧巻だったのはやはりジダン。吸い付く様なボールさばきと、常に2人がかりのディフェンダー達の股をいとも簡単に抜いてドリブルやパスをする様は、正に鬼神だった(ちなみに地元ファンからは”マエストロ”と呼ばれてた。でもロナウドは”デブ”笑)。
しかし、交替によって更に攻撃重視にバランスを移行したことが災いし、カウンターによって2点目を失ったスター軍団。必死に攻撃をしかけるも、決定的チャンスを沈めることが出来ないまま、試合終了。


チャンピオンズリーグに向けた戦力温存が出来なかったばかりか、リーグ戦においては決して負けてはならない試合を落とし、今期のレアル・マドリッドにとって、最悪の日となってしまった。
しかし、多くの敗因を噛み締めるかの如く、サポーター達は妙に静かに帰っていったのであった。